東芝は新型の太陽電池「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」の開発でエネルギー変換効率が世界最高の15.1%を達成した発表しました。
ペロブスカイト太陽電池は理論効率が30%以上といわれており、塗布・印刷技術で製造できるため軽量化や原料削減ができるなど、現在主流のシリコン結晶型太陽電池に比べて低コスト化できると期待されています。一方で現在研究が進んでいるペロブスカイト太陽電池は結晶構造に「Pb(鉛)」を使用しており、一部では環境への影響を懸念する意見もあります。
鉛以外の元素を利用した技術開発も進んでいますが、海外では既にペロブスカイト太陽電池をリサイクルした場合の経済性に関する研究が進んでいるようです。
Recycling them enhances their sustainability, as the recycled perovskite solar cells could bring 72.6% lower primary energy consumption and a 71.2% reduction in carbon footprint, according to the paper, “Life Cycle Assessment of Recycling Strategies for Perovskite Photovoltaic Modules,” co-authored by Xueyu Tian, a doctoral student at Cornell Systems Engineering, and Samuel D. Stranks of the University of Cambridge.
引用元:コーネル大学
ペロブスカイト太陽電池をリサイクルすることで、一次エネルギー消費量を72.6%削減、二酸化炭素排出量を71.2%削減できるとあり、適切なリサイクルにより持続可能性が高まるとあります。
またノースカロライナ大学の研究グループもペロブスカイト太陽電池に関する論文を発表しており、熱分解により有毒物質である鉛(Pb)を、PbI2として回収しそのリサイクル効率は99.2%が得られたとあります。
Lead is separated from decommissioned modules by weakly acidic cation exchange resin, which could be released as
引用元:ノースカロライナ大学
soluble Pb(NO3)2 followed by precipitation as PbI2 for reuse, with a recycling efficiency of 99.2%. Thermal delamination disassembles the encapsulated modules with intact transparent conductors and cover glasses.
太陽光発電は脱炭素化実現への重要な手段であり、ペロブスカイト太陽電池も低コストなどで注目されていますが、廃棄時のリサイクル性も考慮した研究開発が望まれます。