イタリアのエネルギー機関であるENEAとフランスの原子力・代替エネルギー庁などで構成される欧州コンソーシアムが、太陽光発電モジュールの完全リサイクルのためのパイロットラインを開発プロジェクト『PHOTORAMA』が進められています。
PHOTORAMAプロジェクトは、使用済みの太陽電池パネルから完全なリサイクル実現を目的としており、回収された材料から新しい太陽電池パネルを製造することを目指します。
太陽光パネルの新しい分離技術として、シリコン系ではダイヤモンドワイヤーによる機械的剥離と超臨界状態のCO2による流体的剥離、CIS系では光学的な剥離処理の開発を行うとされています。
In this work package, we will develop and scale up innovative and cost-effective delamination units for both c-Si and CI(G)S PV panels. The delamination unit is the second processing step in the Pilot Line, receiving PV sheets/sandwiches from the disassembly unit as inputs and outputting glass, polymers (backsheet, EVA) and cells fraction for further processing in WP3 and WP4 before reuse. Major efforts will be made to achieve complete layer separation of PV sheets/sandwiches while avoiding materials cross-contamination to supply the highest possible added value for secondary raw materials (RM) (purity grade). Two complementary technologies will be developed for c-Si PV panels: (1) mechanical delamination by using diamond wire cutting process; and (2) fluid delamination by applying CO2 at supercritical state (SCCO2). CI(G)S modules will be separated by an (3) optical delamination process using a flashlight.
引用元: PHOTORAMA
また本プロジェクトではリサイクル技術の開発だけでなく、リサイクル材料の再利用、経済性や環境面なライフサイクル評価、社会的認知向上のための戦略や普及活動なども、実施されるとあります。
参加メンバーもイタリア・フランスだけでなく、欧州各国の企業などがメンバーに入っており、オールEUによるプロジェクトの様です。
国内ではNEDOを中心に太陽光パネルのリサイクル技術の開発が進んできましたが、実用化したリサイクル技術や回収システムなどの海外輸出展開も視野にした取り組みが求められます。