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経産省:第1回 再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会

経済産業省ほか関連省庁(環境省、農林水産省および国土交通省)は、令和4年4月21日に 「第1回 再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」を開催しました。

検討会開催の背景

政府では、2050年のカーボンニュートラル及び2030年度に再生可能エネルギーの割合を36~38%にするという、野心的な目標を掲げています。一方で再エネの拡大に伴い、一部の地域では災害や環境への影響、再エネ設備の廃棄などへの懸念も指摘されています。

この様な背景において、関係4省庁(経済産業省・農林水産省・国土交通省・環境省)が共同で、再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理に向けた施策の方向性などの議論のため、検討会を開催される運びとなりました。

検討会における主な論点

本検討会では議論の前提として、主に以下の論点があげられています。

【土地開発前段階の論点例】

  • 再エネ設備事業に当たっての関係法令の十分な対応・連携、許可基準等の運用との整合性
  • 地域における合意形成に向けた適切なコミュニケーション、円滑化に向けた更なる取組みの必要性
  • 再エネの導入促進制度(再エネ特措法等) において、災害警戒区域などの立地状況への対応

【土地開発後~運転開始後・運転中の論点例】

  • 関係法令や事業計画策定ガイドライン等への違反案件の把握、早期改善や再発防止への対応
  • 事業実施中における再エネ発電設備や防災施設等の管理不全状態が生じたケースへの対応

【廃止・廃棄段階の論点例】

  • 太陽光パネル等の適正な処理が確実に行われるよう、データを活用した連携
  • 関係省庁や地方自治体等で更なる対応の必要性

【その他の論点例】

  • 事業規律を強化する場合、着実な執行を担保の強化
  • 今後導入拡大が見込まれる非FIT・非FIP案件への対応

太陽光パネルの廃棄について

経産省・環境省により太陽光パネルの廃棄の現状に問題点や対応に関して説明があり、それに対し委員が課題や議論のポイントを指摘しています。

【経産省・環境省】

  • 太陽光発電所の廃止・廃棄段階について、『再エネ特措法に基づく廃棄費用積立』や『廃掃法に基づく適正処理』が定められている関連トピック①関連トピック②
  • 一部事業者において地元との適切なコミュニケーション不足が指摘されており、事業終了後に適切な廃棄処理が行われない懸念の声がある。
(引用元:経産省)
  • 使用済太陽光パネルについて、資源循環の考え方に基づき『リユース ⇒ リサイクル ⇒ 埋立』で適正処理されるべく、ガイドラインを制定および周知を図っている。
(引用元:環境省)
  • 現状使用済太陽光パネルはリユースが多いものの、中間処理の実態についても調査を進めている。
  • カーボンニュートラルの観点から、省CO2型のリサイクル設備の補助事業も実施。
(引用元:環境省)

【委員からの意見・提言】

  • 廃棄のルールの明瞭さが不十分
  • 回収・廃棄までのフロー(運用)や責任の所在が明確でない
  • 周知の徹底されているのか、現場まで広く認識されているか
  • 発電停止をどのように確認するのか、停止条件などのガイドラインでの規定も必要でないか
  • 設備の更新をどう促進していくか、未来への投資としてのFIT後もアセットの有効活用をどのように進めるのか
  • 廃棄物の受け手側(中間処理、埋立処分)で、処理を拒否などの話も聞いている
  • 廃棄物処理を産業育成や雇用創出の機会として捉える視点が必要ではないか
  • 非FIT案件にどの様に網をかけるのか、法制化の検討すべきではないか

まとめ

今回の検討会では議論を進める上での現状の課題・取組みの説明と論点の提示が行われ、今後は事業者のヒアリングなどさらに議論を深めていくとあります。
最近大手メディアでも太陽光パネルの大量廃棄問題を取り上げる事例が増えており、事故や災害の多発などもあり批判的な意見も含め廃棄問題への関心が高まっています。地域に根差した持続可能な再生可能エネルギーの普及が求められる中、どの様な形で再エネの導入を進めていくのか今後の議論に注目されます。

参考資料