太陽光パネルリサイクルの情報を掲載しております。

経産省:「第1回 再生可能エネルギー長期電源化・地域共生ワーキンググループ」を開催

経済産業省は、2022年10月18日に『第1回 再生可能エネルギー長期電源化・地域共生ワーキンググループ』を開催しました。

ワーキンググループ(WG)開催の背景

政府では2050年のカーボンニュートラル及び2030年度に再生可能エネルギーの割合を36~38%の目標を掲げており、エネルギー安全保障の面でも再エネ導入の重要性が増しています。
再エネの大量導入を進めるには地域と共生が重要である一方、特にFIT開始以降の太陽光発電設備の大量導入により安全面、防災面、景観や環境への影響、将来の廃棄等への地域の懸念されており、これら課題への対応が求められています。

適地や系統の制約が顕在化する中で、新規開発および既存設備の最大限の活用や長期電源化に向けた検討が必要となっており、政府ではGXも活用しクリーンエネルギー中心の産業構造への移行させるためにも、再エネの最大限導入の更なる加速が必要としています。

先に実施された『再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会』では、上記に係る課題が議論され提言として纏められています(関連トピック)。
今回のWGでは、地域と長期に共生する再エネ導入を加速するために、事業規律の強化に向けた制度的措置の具体化と、既設再エネの最大限の活用策について検討が行われるとあります。

第1回WGでの議論:今後の論点整理

第1回のWGでは、再エネの導入状況、再エネ特措法(FIT制度)の概要、問題点への対応としての制度的対応などの現状が説明され、「再エネ発電設備の適正な導入・管理のあり方に関する検討会」で纏められた内容で今後の対応案が示されています。
それらを踏まえ、今回のWGでは今後の論点整理という視点で意見が出されています。

(引用元:経産省

再エネ発電設備の適正な導入・管理のあり方に関する検討会」での提言では、違法状態にある案件についてはFIT交付金の留保も含めた厳しい是正措置の適用が今後検討されています。その上で、適切な事業者への過度の負担にならないことへの配慮や、規制一本槍ではなく地域で再エネを促進する視点も今後必要とあります。

廃棄・適正処理の段階については、以下の意見や議論の必要性が上げられています。

  • 排出予想のピークの分散化
  • リサイクル施設の設備投資や一次保管なども検討
  • 処理業者への回収ルート構築(廃掃法など関連する法規や省庁も含めた議論)
  • 使用済PVパネルの処理状態の実態も含めた議論
  • 非FIT案件を含む廃棄費用積立方法での事業者の考え方のヒアリング

今後のWGの議論

多くの委員からは、再生可能エネルギーの導入拡大には適正な規律が必要という指摘があります。
開発段階から運転、廃棄にいたるまでの適切な対応と、再エネ特措法が転換期を迎えている現状から関係法令を含めた構想についての議論の必要性にも言及がありました。

今回の論点整理を踏まえ、事業者や有識者などへのヒアリングが予定されているようです。

次回は再エネ事業者へのヒアリングが予定されており、

まとめ

再エネの導入拡大のためには事業運営における適正な規律が必要であり、環境や持続性への影響が大きい廃棄・リサイクルについても今後議論が深まると思われます。
FITによる発電事業では廃棄費用積立制度が始まりましたが、非FITやFIT終了後の廃棄費用、今回の議論では指摘がありませんでしたが是正措置適用(FIT交付留保)時の廃棄費用の積立や住宅向け太陽光発電など、今後詳細な議論が進むものと思われます。

発電事業者に限らず、リサイクル事業者や地域社会にも大きな影響があるため、今後の議論の方向性に注目されます。

参考資料