三菱ケミカルグループで資源循環事業を手掛ける株式会社新菱が、以前より開発に取り組んできた太陽光パネルリサイクルに関して、北九市内にリサイクル工場を設置し2023年2月に竣工し、2023年度に本格稼働を開始すると発表されています。
同社では、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)との共同開発や、環境省実証事業にて熱分解処理方式による技術開発を行うなど、太陽光パネルのリサイクル技術開発を他社に先駆けて進めてきました。
全国で導入が進んでいる物理的リサイクル方法ではなく加熱燃焼方式が採用されており、リサイクル工場の能力や特徴が説明されています。
今回竣工する弊社太陽光パネルリサイクル工場の処理能力は年間約9万枚(重量ベース約1,440トン)で、既存の破砕式処理ライン6万枚と合わせて、弊社として年間約 15 万枚の処理体制を構築します。
この高度リサイクルは、各素材を高度選別することで、金属(アルミ、銅、銀)に加え、ガラスの水平リサイクルが可能となり、カーボンニュートラル、CO2削減に貢献することができます。リサイクル工場から排出される廃棄物はほぼ無く、サーマルリサイクルを含めるとリサイクル率は 99%以上を見込んでおります。国連が掲げている持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献するものと考えております。引用元:新菱
現在既に40社弱の事業者が太陽光パネルのリサイクルに取組んでおり、全国で適正処理できる環境の構築が進んでいます。
今後は廃棄処分時の太陽光パネルのリサイクル率や処理に要するCO2排出量などでの差別化が求められるとともに、排出事業者にも選択肢が増えることが期待されます。