東京都では、今後大量廃棄が見込まれる使用済太陽光発電設備の3R及び適正処理が推進のため「東京都太陽光発電設備高度循環利用推進協議会」が設置されています。
2023年8月30日に第4回の協議会が開催されており、資料が公開されています。
公開されている資料を元に、議論されているであろう内容を紹介します。
(前回までの協議会に関してはこちらから ⇒ 第1回、第2回、第3回)
公開されている資料によれば、以下の内容が議論・共有されてるようです。
引用元:東京都
第4回協議会の資料で、首都圏における太陽光パネルの廃棄・リサイクルの実態調査の結果が公開されています。
首都圏で太陽光パネルの適正処理(リサイクル)が可能な産業廃棄物中間処理業者による処理の実態が調査されており、廃棄パネルのリサイクルとして持ち込まれる物量は年間数トン/社となっています。
現時点では住宅用の廃棄パネルの受入れは少なく、災害対応を除けば廃棄需要は極めて少ないことが調査結果から示唆されます。
(具体的な事業者名は記載されていないものの、東京都が進めるリサイクル補助事業で指定されている6社と考えられます)
また太陽光パネルの中間処理に必要な許可品目(ガラスくず、金属くず、廃プラスチック類)を有する都内の中間処理業者を対象としたアンケート・ヒアリングの結果も公表されています。
こちらの結果も同様に、事業用・住宅用ともに廃棄パネルの受入れは、非常に少ない結果となっています。
本調査は都内(首都圏)での廃棄パネルの受入れに関する結果ですが、全国的に同様の傾向だと想定されます。
災害対応を除いては事業用・住宅用ともに廃棄・リサイクルされる太陽光パネルは少ないと考えられ、全国で50社以上が専用のリサイクル装置の導入を進めている中で、これら事業者の収益性やコスト面に焦点をあてた議論も必要だと考えられます。
東京都では住宅への太陽光発電設置義務化など脱炭素社会構築に向けて先進的な取組みを進めており、太陽光パネルのリサイクルに関しても他自治体に先行しています。
こうした事例を他自治体や事業者も参考にできるように、本協議会での議論の内容の積極的な公開(議事録や動画など)が望まれます。