AGC株式会社は、使用済み太陽光パネルから回収したカバーガラスを原料としたフロート板ガラス製造の実証試験に、日本で初めて成功したと発表しています。
これまで技術的に困難とされてきたフロート板ガラスにおいても、カバーガラスのリサイクルが可能となる見通しです。本試験は、3月18日にAGC鹿島工場フロート板ガラス製造窯にておこなわれました。今回使用されたカバーガラス約5トンは、株式会社トクヤマの低温熱分解技術を用いて精製・供給されました。
(中略)
カバーガラスにはガラスの透過率を高める成分が含まれ、これによりフロート板ガラスへのリサイクルは困難とされてきました。本試験の成功を受けて、生産量の多いフロート板ガラスが、廃棄カバーガラスの水平リサイクルの受け皿となることが期待されます。リサイクルの推進により、珪砂やソーダ灰など天然資源由来原料の節減、製造工程におけるGHG排出量削減につながります。
引用元:AGC
同社は既に太陽光パネルガラスの型板ガラスへのリサイクルの実証試験に成功しており(関連トピック)、今回より難易度の高いフロートガラスの製造に成功したことになります(関連トピック)。
また原料のリサイクルガラスを供給したトクヤマは、『太陽光パネルの低温熱分解法によるリサイクル技術開発』としてNEDOと共同研究を行っています(関連トピック)。
太陽光パネルのリサイクル技術は既に多くの企業が実用化しており、技術的課題は太陽光パネルの約2/3を占めるリサイクルガラスの利用方法となっています。
今回の実証試験は、将来迎える大量廃棄時のガラスリサイクルでの課題解決につながる一歩になることが期待されます。