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環境省:『太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)』を公開

環境省は、「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)」を公表しています。

環境省・経済産業省では、共同で「再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方に関する検討会」を令和5年4月に立ち上げ(関連トピック)、2024年1月には「中間取りまとめ」を公表しましていました関連トピック
今回のガイドライン(第三版)では、2018年(平成30年)に発行された第二版の内容を見直したとされています。

ガイドラインの改訂に至った経緯

今回の改訂は、これまで検討会での議論を踏まえた内容を反映したとされています。

 令和2年度には太陽光発電設備のリユース促進検討委員会において、太陽電池モジュールのリユース品としての客観的な状態、流通できるための条件や対処すべき事項について検討を行い、関係する事業者がリユース品として必要な状態とそれを確認、証明する方法をまとめた「太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン」 を令和3年5月に策定した。

 令和5年度には、 太陽光発電設備や風力発電設備等の再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルに関する対応の強化に向けた具体的な方策について検討することを目的として、 再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方に関する検討会を経済産業省と共同で開催した。令和6年1月に公表した中間取りまとめにおいて、本ガイドライン等の関係者へ更なる周知によるリユース 及びリサイクルの促進、 太陽光発電設備の設置者に対して適切な絶縁措置を求めること等による、発電終了後の太陽光発電設備の安全を保持するための取組について対応が必要であるとされている。

 そのため、 中間取りまとめを踏まえ、 ガイドラインの見直しに向けた検討を行い、今般、第三版として策定、公表するものである。

引用元:環境省

ガイドラインの内容に関しては大きな変更点は見受けられません。

第三版での変更箇所

第二版からの主な変更点を、以下の通りとなっています。

  • 第2章 図表17:「一般廃棄物に該当する事例」で記載変更
  • 第2章 2‐2項:「①適切な解体について」が追加
  • 第2章 2‐6項:「(3) 建設リサイクル法及び建設業法に係る規定等」の記載内容の変更
  • 第2章 2‐7項:「(1) 適切な事業者への処理委託、もしくは排出事業者自らによる処理」の産業廃棄物処理基準に従う義務として、廃棄物処理法(施行令)の追記
  • 第2章 2‐7項:「(3) 廃棄物の適正な処理の方法についての情報提供」で、4物質(鉛、カドミウム、ヒ素、セレン)の含有情報に関する記載追加
  • 第3章 3‐2項:「(3) 使用済太陽電池モジュールのリサイクル技術」で、「参考技術⑥ 全体加熱法による太陽電池モジュールのカバーガラス回収技術」が追加
  • 第4章 4-2項:リユースの実施事項は「太陽電池モジュールの適切なリユース促進ガイドライン」を参照とし、詳細内容が削除
  • 太陽光発電設備の電気工作物の区分変更(電気事業法)による記載内容の構成変更
    • 第2章 2‐1項
    • 第2章 2‐6項(2)①太陽電池発電設備の区分
  • 感電防止でのケーブル処理の記載を「ケーブルのコネクタ ーを抜くかケーブルを切断し、 絶縁テープを巻く等の絶縁処理をすること」に変更

    今回第三版では、細かい点の改訂はあるものの、各種検討会での議論や環境省・経済産業省が実施している実証事業や調査報告書での知見、また全国で導入が進むリサイクル施設(中間処理事業者)を含む最新の実態などは反映されていないようです。

    参考資料