国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、公募予告をしていた「2025年度 太陽光発電導入拡大等技術開発事業」について、本公募を開始したと発表しています(関連トピック)。
本技術開発事業では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、今後の太陽光発電の大量導入・長期安定電源として次世代型太陽電池の開発や設置場所に応じた太陽光発電システムの開発などに加えて、太陽電池モジュールのリサイクル技術の開発を行うとされています。
太陽電池モジュールのリサイクルに関しては、以下の研究開発項目が公募されています。
研究開発項目IV:循環型社会構築リサイクル技術開発(委託事業)
・ペロブスカイト太陽電池リサイクル技術開発(委託事業)
今後の導入拡大に向けた開発が進むペロブスカイト太陽電池を対象として、環境等に配慮した適切なリサイクルシステムを確立するための評価・検証を行います。同時にペロブスカイト太陽電池の長期設置場所及び一連の廃棄リサイクル処理において鉛等の有害物質が人体・周囲環境に影響を及ぼさないことを定量的に検証します。研究開発項目IV:循環型社会構築リサイクル技術開発(助成事業)
①太陽電池モジュール分離処理技術開発(助成事業)
予見される太陽電池モジュールの大量排出時代において、リサイクルを促進するため、資源回収率を維持しながら、分離処理コストの更なる削減と大量処理に貢献する技術を開発する。また、普及拡大が期待される建材一体型、シースルー型等の新しいタイプの太陽電池モジュールや災害で破損した太陽電池モジュール等の分離処理技術の汎用性を拡大する。②マテリアルリサイクル技術開発(助成事業)
太陽電池モジュールを由来とするシリコンやガラス等のマテリアルリサイクル技術開発に取り組み、原料化を含めた新規用途開拓を行う。研究開発項目Ⅵ:動向調査研究
(3)太陽電池モジュールのリサイクルに関する動向調査
引用元:NEDO公募要領から抜粋
循環型社会構築に向けた太陽電池モジュールのトレーサビリティに関する調査を含む
技術開発期間は2025年度~2029年度の最長5年間となっています。
NEDOでは過去に実施された太陽光発電システムの技術開発において、リサイクル技術の開発も行われ(関連トピック①、関連トピック②)、幾つかの技術が実用化されてきました。
太陽光発電の新たな技術開発指針「太陽光発電開発戦略2025(関連トピック)」では資源循環型の社会構築が重要な目標の一つとして掲げられており、今後の技術開発に一層の進展が期待されます。